2016年2月3日水曜日

ライザップとか、峯岸さんとか、若い女性のやせすぎとか。


15日に公開されたダイエットジム「ライザップ」の新CM。今回出演しているAKB48の峯岸みなみ(23)のスタイリッシュな姿が反響を呼んでいる。体重は48.6キロから43.7キロに減少したという。(“結果にコミット”した峯岸みなみ 気になるBMI値は?  日刊ゲンダイ 1月16日(土)9時26分配信 )

 

記事にもあるようにプログラム後、峯岸さんの体重は158cm、43.7kgにまで減少。BMI値は17.5となり、これは「やせすぎ」の区分に入る。


日本では若年女性のやせすぎが10年前から問題になっており、最近の統計のよると30代の女性のやせまで増加している。

若年女性のやせ過ぎに関しては、出産時に低体重児が生まれる可能性とか、その赤ちゃんが女の子の場合妊娠糖尿病になる危険性とか、将来介護度が上がるリスクとか、いろいろな懸念が医学界から示されている。去年の6月に一緒に一緒にテレビに出た医師の福島先生は「国家が滅びる」とまで言っていた。

私もこういう視点は大事だと思うし、知っておかなければいけないと思う。

でも若い女性の将来とか、国の将来とかの懸念の中で忘れられがちなのは、若い女性のいまここじゃないだろうか。そこを見ないと何も変わらないのではないだろうか。

「あなたの身体はもっとよくなる」
「あなたはもっときれいになれる」

これはひっくり返すと「あなたのいまの身体は十分じゃない」という意味である。身体が少しふっくらしてくる年頃にそんなメッセージを浴び続けるのである。中年男性がやせようかなと思うのとは次元が違う。

自分のそのままの身体を受け入れることを許さない社会の中で若い女性は生きている。

その部分を変えようとしなければ、将来の健康被害をいくら本人に訴えたところで何の効果もなく、ただただ本人たちを怖がらせるだけだろう。

日本の女の子はやせすぎぐらいじゃないと、かわいくも、きれいにもなれない。好きな服も着られない。
 
少し大げさかもしれないけど、今の日本にはこういう現実があることを私たちは忘れてはいけないと思う。外見より内面がだいじとか、そういう建前を言わないでほしい。

大人ばかりでなく、小学生もやせたいと思う社会。
中学生に向けファッション雑誌にダイエット特集が組まれる社会。
そして48kgの峯岸さんより、43kgの峯岸さんを素敵とほめたたえる社会。

私はそんな社会がとても怖い。




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