2018年2月19日月曜日

ケニアで作る循環型トイレと世界のトイレ事情ー山上遊編― (『からだのシューレ9』開催報告①)


雪とインフルエンザが猛威を振るう中開催された「からだのシューレーうんちとトイレが世界を救う?」(1月27日)。「胃袋の200年」の回で大好評だった湯澤さん、そしてケニアで水を使わない循環型トイレを作っている山上遊さん(リクシル)のダブルゲストでの開催です。




前回の胃袋Tシャツに続き、今回も登場しました-うんち&トイレTシャツ(笑)
もちろん湯澤さんのチョイスです。

まずは山上さんの紹介する世界の糞尿・トイレ事情。下の写真は、糞尿も混じるゴミ捨て場で金属片を拾おうとしている少女です。重い金属片下の方にあるため手を突っ込む必要があるのですが、彼女が手を入れるその場所は糞尿も溜まっている非常に不衛生な場所なのだとか。


 危なくて、一人ではとてもいけないようなトイレ。

国際支援の手が入り、トイレが建てられる場合もありますが、建てただけで帰ってしまう援助団体もおり、その場合、何かでトイレが使えなくなると、トイレはそのまま廃墟になってしまいます。


ひるがえって山上さんたちの活動は、作られたトイレが何かでいらなくなっても現地の人が自分たちで撤去できるトイレ、現地の人たちが自分たちの手で維持し続けることができるトイレを目指します。

山上さんたちが目指すのはそれだけではありません。最後に目指すところは、集められたうんちとおしっこを無害化し肥料に変えて、それによって作物を作物が換金できるようになること。まさに究極の資源活用です。

ところがプロジェクトの初めに山上さんたちがぶつかったのが、ケニアの人々にとってうんちはうんちでしかなく、それが肥料になるというイメージがまったくなかったこと。
うんちはうんちでしかない!
 そこでチームが行ったのが、「うんちは肥料になりますよ!」という教育をするのではなく、グループを作ってゲーム感覚でトイレを利用してもらい、うまくできたチームには賞品をだすなどして、楽しみながらその価値を感じてもらうことでした。

うんちとおしっこは処理が違うため分けて用を足す必要があります。

山上さんはこのトイレで集められ、無害化され、肥料となったうんちとおしっこを持ってきてくださいました。うんちはさらさら、おしっこもまったくそれとは思えない液体で、独特の匂いもありません。会場の皆さんも興味深そうに手にされていました。
うんちはうんちではなく、うんちはお金になる!
このように人々の排泄物に対する既成概念を変えることが、山上さん達の超えなければならない課題であったわけですが、ひるがえって日本はどうなのでしょうか?日本は以前は糞尿を大事な肥料として扱っていましたが、いまの私たちにそのような考えはありません。人の糞尿で作られた野菜なんてタダでもいらないという人は多いでしょう。

私たちに日本人の既成概念はどうしてこんなに変わってしまったのでしょうか?ここでスピーカーは湯澤さんにバトンタッチです。(続く)